甜麺醤(テンメンジャン)は、中国の調味料で、濃い茶色をした甘味噌です。
北京ダックを食べる時の卓上調味料の他に、炒め物や、煮込み料理にも使います。
中国では、小麦粉を発酵させて作るらしいのですが、日本では八丁味噌に砂糖を混ぜて作ります。
八丁味噌は大豆で出来てますから、日本の甜麺醤は大豆から作られている事になります。
※八丁味噌の作り方は 手前味噌・仙台味噌・八丁味噌を仕込む(手前味噌2014 その1) をご覧ください。
日本の中華料理は、本場中国の中華料理とは少し違う、独自の料理なのですが、なぜ、小麦粉から作られるはずの甜麺醤が日本では大豆から作られるようになったのでしょうか。
それについては、本屋と図書館で様々な文献を調べてみましたが、見つかりませんでした。
私の憶測では、甜麺醤が中国から伝わってきても、日本では小麦粉を発酵させる習慣が無く、大豆の味噌が常に作られているから、それで代用した物が定着してしまったのではないだろうかと考えています。
それよりも、とりあえず日本式の甜麺醤を作ってみましょう。
◆甜麺醤の作り方
八丁味噌 50g
砂糖 20g
醤油 5g
みりん 10g
ごま油 2g
全ての材料をボウルに入れる。
瓶に入れました。
ラベルを貼ってみたら、それらしくなったかな。
それでは、甜麺醤を使った料理を作ってみましょう
甜麺醤と言えば、北京ダックですが、北京ダックを作るのはハードルが高すぎるので、鶏肉を焼いたもので代用してみます。
◆なんちゃって北京ダック
鶏もも肉 1枚
塩 適量
塩を振った鶏肉をスキレットでじっくりと焼きました。
チキンのソテーじゃないの?などと思ってはいけません。
甜麺醤を付けて、北京ダックの気分でいただきます。
うん、気分は北京ダック。
しかし、正直な感想を言うと、チキンのソテーに甜麺醤を付けて食べてますって感じ。
味は美味しいです。
次は回鍋肉(ホイコーロー)で甜麺醤を味わってみましょう。
◆簡単な回鍋肉
回鍋肉の「回」は戻るという意味で、一度、鍋で茹でた肉を再び鍋に戻して炒める事から付いた名前です。
本当は、豚ばら肉のかたまりを15分くらい茹でて、それを薄切りにして炒めますが、それらの工程は手抜きして、簡単な回鍋肉を作ります。
豚肉の薄切り 100g
ねぎ 1本
キャベツ 100gくらい
ニラ 1/4束くらい
にんにく薄切り 1かけ
甜麺醤 大さじ2
豆板醤 小さじ1
醤油 小さじ1
ごま油 小さじ1
※ピーマンを1個くらい入れてもいいです。私が買い出しに行った時はピーマン1パック240円くらいだったので買うのをやめました。
その代わりと言っては何ですが、冷蔵庫に人参が余っていたので少し入れました。
フライパンを熱して油をひきニンニク・豚肉を炒める。
豚肉に火が通ってきたら野菜を入れて炒める。
野菜に火が通ってきたら、調味料を加えて混ぜる。
最後にごま油を加えて完成。
簡単な回鍋肉
甜麺醤がよく効いて甘い味噌炒めになっています。
簡単ですが、美味しいです。
次は麻婆豆腐で甜麺醤を味わってみます。
◆甜麺醤を効かせた麻婆豆腐
絹ごし豆腐 小さいパック1個分
豚ミンチか鶏ミンチ 50g
青ネギ 30gくらい
ニンニクみじん切り 小さじ1
ショウガみじん切り 小さじ1
甜麺醤 大さじ1
豆板醤 小さじ1
醤油 小さじ1
鶏がらスープ 60ml
水溶き片栗粉 小さじ2
ごま油 小さじ1
フライパンを熱して油をひき、ニンニク・ショウガ・鶏ミンチを炒める。
鶏がらスープ・豆腐を入れて2分くらい煮込む。
豆腐から水分が出るので、スープは少ないかなと思うくらいがちょうどいいです。
甜麺醤・豆板醤・醤油・ネギを入れて混ぜ、水溶き片栗粉でとろみをつける。
仕上げにごま油を混ぜて完成。
甜麺醤を効かせた麻婆豆腐
本格的な麻婆豆腐とは違いますが、まろやかで、これはこれで美味しい。
さて、日本の甜麺醤は簡単に作れて、料理にも使える事が分かりました。
これで、甜麺醤はマスターしました。
いや!
こんなのでは満足できないなぁ。
やはり、中国の古来から伝わる、小麦粉を発酵させて作る甜麺醤を作ってみたい。
発酵食品が大好きな私は、そう思うのでした。