毎年恒例の梅干作りですが、今年は2kgの梅を漬けました。
今年も例年通り塩分18%で、配合は、以下の通りです。
梅 2kg
塩 360g
砂糖 40g
また、梅酒も漬けました。
配合は、以下の通りです。
梅 1kg
甜菜糖 500g
ホワイトリカー 1800ml
1年以上熟成させて、来年(2016年)の6月に解禁する事にします。
昨年(2014年)に漬けた梅酒は、1年経ったので美味しく飲んでるのですが、美味しいと言っても、1年熟成させた味噌のような、感動的な美味しさではありません。
1年熟成では、チョーヤの梅酒と同レベルの美味しさです。
市販の物を越えるような感動的な美味しさにするためには、3年以上熟成させる必要があると思いますが、妻が梅酒の完成を楽しみにしているので「3年も待て」とは、なかなか言えないですね~。
そして、昨年漬けた梅酒の梅をジャムにします。
少し水を足して、砂糖と一緒に煮込みます。
梅酒の梅ジャム。
梅酒の梅は、酸味が抜けてるのですが、熟成による深みがあり、これはこれで美味しいです。
そして、梅の種が残りました。
いつもは、これを捨てるのですが、今回は捨てずに、これで梅仁豆腐を作ってみようと思います。
「えっ!? 梅仁豆腐って何?」と思いますよね。
そう思わせようと思って書きました。
その通りに思ってくださった方ありがとうございます。
さて、梅仁豆腐の説明をする前に、杏仁豆腐の説明からしなければいけません。
杏仁豆腐とは、杏(アンズ)の仁が入った豆腐のようなデザートです。
アンズの果実の中にある種を割ると、その中にあるのが仁です。
杏仁には、薬効成分があり、昔の中国ではこれを粉末にしたもの服用していたのですが、これを甘くして食べやすくしたものが杏仁豆腐の始まりみたいです。
日本では、デザートとして広まってますね。
そして日本の杏仁豆腐は、アンズの仁ではなく、アーモンドエッセンスで代用する作り方が広まっています。
アーモンドは、アンズと同じバラ科の近親種で、桜のような可憐な花を咲かせ、アンズを小さくしたような実がなります。
果実は、薄っぺらくて美味しくないので食用にはされません。
種を割ると出てくる仁が、いわゆるアーモンドです。
アーモンドと杏仁の香りが似ているので代用できるのです。
日本では、ほとんどがアーモンドエッセンスを使い、杏仁を使っていないのですが、杏仁豆腐という名で売られています。
本当はアーモンド豆腐という名で売らなければいけないのですが、そうしなければいけない法律は無いのです。
ちょっと前に、ホテルがメニュー表記と違う食材を出していた事が問題になりました。
ホテルは、法律には違反していなかったはずなんですが、消費者保護の観点からでしょうか、マスコミが取り上げたからでしょうか、とにかく食品偽装等と言って問題になりました。
細かい事を言えば、杏仁豆腐も問題になって然るべきだったのですが、杏仁豆腐に関しては、問題にならなかった模様です。
美味しければそれで良いですもんね。
という事で、もう梅仁豆腐の説明をしなくても分かっていただけると思います。
アンズと同じバラ科の近親種である梅の仁で梅仁豆腐を作ってみます。
梅仁豆腐を作る
梅の種をバキッと割ります。
割ると、中から出てくるのが梅仁です。
1kgの梅から、これだけの仁を取り出す事が出来ました。
結構な重労働でしたよ。
腕がしびれました。
薄皮を剥きます。
薄皮はツルっと簡単に剥けました。
重さを計ると23gでした。
1年間梅酒の中に漬けた1kgの梅の中から取り出した23gですから貴重な23gです。
これをすり鉢ですり潰します。
すり潰しました。
梅酒の香りと、アーモンドのような香りがします。
牛乳を少しずつ加え、練ります。
火を通し、砂糖とアガーを加えます。
ちなみに加えた材料は、以下の通りです。
梅仁 23g
牛乳 230g
砂糖 30g
アガー 8g
適当な容器に入れて冷やします。
梅仁豆腐。
さて、味はと言いますと…
確かに杏仁豆腐のような味がします。
さすが近親種という事ですね。
梅仁で、杏仁の代用となることが分かりました。
美味しさと言う点では、私の作り方がいけなかったのか、もう一つでした。
けど、子どもたちは、喜んで食べてくれたみたいです。
そして「また作ってね。」と言ってくれました。
そう言ってくれるのは嬉しいのですが、こんなに貴重な素材を使って、さらに重労働が必要な梅仁豆腐は、もう二度と作りたくないです。
もしまた作るなら、アーモンドエッセンスで代用しようと思います。
ああ、とうとう私も食品偽装に手を染める事になるのか…
いや、杏仁豆腐と言わずにアーモンド豆腐と言って出せば大丈夫。
逆に、アーモンド豆腐が新たなスイーツとして注目されたり…
せんやろな…