
みりんをお菓子作りに活かせるか2つの実験をしてみた
みりんをお菓子作りに活かせるかどうか実験したいと思います。
ただし、みりんのアルコールを飛ばして、甘味料として使うのではありません。
みりんのアルコールを活かして、みりんとしてお菓子に使うという実験です。
【目次】
1.前置き
2.実験1.みりんをホットケーキにかける
3.実験1の結果
4.実験2.パウンドケーキに染み込ませる
4ー1.1日後
4ー2.さらに1日後
5.実験2の結果
6.まとめ
7.動画で説明
前置き
前回の記事で7種類のみりんを試飲しました。

飲んで美味しいみりんランキング第1位は、福来純本みりんでした。
メープルシロップのような味でめちゃくちゃ美味しいです。
詳しくは前回の記事を読んでくださいね。
と言うわけで、みりんをお菓子に使えるのではないかと思いました。
そこで、2つの実験をしようと思います。
1つ目の実験は、みりんをそのままメープルシロップのように使えるのではないか、というわけで、ホットケーキを焼いてみりんをかけて食べてみようと思います。
上の画像はメージです。
もう1つの実験は、みりんにはアルコールが含まれてるので、ブランデーシロップのように使えるのではないかと思い、パウンドケーキにみりんを染み込ませてみます。
上の画像はブランデーケーキです。
パウンドケーキにブランデーシロップを染み込ませたケーキです。
では実験を開始しましょう。
実験1.みりんをホットケーキにかける

【ホットケーキの材料】1枚分
米粉 100g
砂糖 10g
卵 1個
水 100ml
重曹 2g
クエン酸 2g
バター 20g
福来純本みりん 好みの量
グルテンフリーにするために米粉を使っています。
ベーキングパウダーが無かったので重曹とクエン酸で代用しています。
重曹とクエン酸で代用する場合は少し注意点がありますが、それは作る過程で説明します。
まずは、米粉・砂糖・卵・水を混ぜます。
ベーキングパウダーを使う場合は、それも一緒に混ぜるといいです。
重曹とクエン酸を使う場合は、焼く直前に入れて混ぜます。
ベーキングパウダーは焼いてる最中に膨らみますが、重曹とクエン酸は混ぜた瞬間から膨らむからです。
フライパンを熱し、バター10gを溶かし、生地を流します。
適当なタイミングで裏返しました。
ホットケーキの焼き方は、いちいち説明しません。
もし同じ実験をされる方は、好きなように焼いてください。
ホットケーキが焼けました。
そこにバター10gを乗せ、みりんをかけました。
メープルシロップのような味がするみりんですが、実際にホットケーキにかけてみると、サラサラとしていて、シロップをかけたようには見えません。
そして、みりんがすぐに染み込んでいきました。
では、いただきます。
あまりみりんの味を感じなかったので、さらにみりんを追加して食べました。
実験1の結果
期待した味ではありませんでした。
シロップよりも甘味が弱いです。
味が薄く感じました。
そして、本来なら歓迎すべきはずのアルコールの香りが心地良くありませんでした。
ホットケーキが温かいから、みりんの温度も上がり、アルコールの刺激がツンと来たためだと思います。
実験の結果、この使い方は、ふさわしくないという事が分かりました。
実験2.パウンドケーキに染み込ませる

みりんケーキの材料(18cmのパウンド型1個分)
(ケーキ本体)
バター 100g
米粉 100g
砂糖 70g
卵 2個
福来純本みりん 大さじ2
BP 5g
(染み込ませる用)
福来純本みりん 大さじ2+大さじ2
グルテンフリーにするために米粉を使っています。
ベーキングパウダーが無かったので重曹とクエン酸で代用しています。
重曹とクエン酸で代用しても膨らみますが、すでに述べたように混ぜた瞬間から膨らむので注意が必要です。
ベーキングパウダーを使った方がきれいに膨らみます。
まずは、パウンド型に合わせてクッキングシートを折りたたんで入れておきます。
バターを室温で柔らかくして練り砂糖を加えて練り、卵を1個ずつ入れて混ぜます。
米粉を加え混ぜ、みりんを加え混ぜます。
焼く直前に重曹とクエン酸を混ぜます。
ベーキングパウダーの場合は、米粉と一緒のタイミングで混ぜたらいいです。
混ざりました。
型に流し込みます。
これを180℃で10分焼いてから、表面に切り込みを入れ、さらに170℃で35分焼きました。
重曹とクエン酸を使うと混ぜた瞬間から膨らむので、焼いてる途中に膨らむのはわずかなのです。
だから、切り込みを入れても、そこに切り目があるというだけになりました。
ベーキングパウダーで焼くと、切り込みを入れた後に、さらに膨らんで、割れ目が盛り上がって広がるように焼き上がります。
要するに見た目がちょっと違うというだけです。
では、みりんを染み込ませます。
みりんを大さじ2程度準備します。
ケーキが温かいうちにみりんを刷毛で全体に塗って染み込ませます。
ラップで包んで1日寝かせます。
冬だったので、暖房の効いてない部屋に置いておきました。
夏だったら冷蔵庫に入れた方がいいです。
1日後
切り分けます。
みりんケーキをいただきます。
うーむ、明らかにみりんを染み込ませる量が少ないです。
ほんのりお酒の風味はするけど、全く物足りないです。
というわけで、半分残ったケーキに、さらに大さじ2杯分のみりんを全体に染み込ませました。
ラップで包んでまた1日寝かせます。
さらに1日後
切り分けます。
みりんケーキの完成です。
期待通りの美味しさです。
お酒の香りがホワーンと口に広がって鼻に突き抜けていきます。
これは美味しいです。
まるでブランデーケーキです。
みりんと知らずに食べるとブランデーケーキだと思うでしょう。
みりんと知った上で、味と香りを意識すると、やはりみりんの甘味と香りも感じます。
これは、和の素材で作った洋菓子という感じで、お箸で食べましたが、お箸で食べるのにふさわしい味です。

これは本当にブランデーケーキとしか言いようがない。
私にはみりんの風味は微塵も感じられない。
食べた量が足りなかったからみりんを感じなかったのかも知れない。
もっとちょうだい。
実験2の結果
みりんを染み込ませたケーキは、確かにフランデーシロップを染み込ませたケーキによく似た味でした。
よーく味わってみると、ブランデーシロップは砂糖の甘味だから、みりんの甘味とはちょっと違います。
みりんの甘味はコクのある甘味がグッとくる感じです。
けど、もう全て食べてしまいました。
確かにもっと食べないとこれ以上深く分析できません。
とにかく、みりんはブランデーシロップの代用として使えます。
ブランデーシロップは、ブランデーとシロップを混ぜたものです。
ブランデーシロップはアルコールが15度程度で、福来純本みりんはアルコール13.5度です。
原材料も違えば、風味も違いますが、甘味とアルコールという意味ではほとんど一緒です。
厳密な話をすると、焼き菓子にブランデーシロップを染み込ませる場合、アルコールが15度以上になるようにしなければ、産膜性酵母が発生するリスクが高まります。
産膜性酵母は発生しても毒ではありませんが、風味が悪くなります。
福来純本みりんはアルコール13.5度ですから、これを染み込ませたケーキは、産膜性酵母の発生リスクが高まります。
だから、ブランデーケーキは結構日持ちしますが、みりんケーキは何日も置かずに数日以内に食べましょう。
また、スポンジケーキにブランデーシロップを染み込ませてショートケーキを作る事もありますが、みりんを染み込ませても美味しそうです。
ショートケーキは賞味期限が短いので産膜性酵母の事は気にしなくても大丈夫です。
まとめ
- 福来純本みりんを飲んでみてこれはお菓子に使えると思った。
- みりんをホットケーキにかけて食べるという実験を行った。
- みりんをホットケーキにかけたらイマイチだった。
- みりんをパウンドケーキに染み込ませるという実験を行った。
- たくさん染み込ませないと意味がないという事が分かった。
- みりんを沢山染み込ませたらまるでブランデーケーキのようだった。
- みりんはケーキに使えます。
動画で説明
動画では私が実演しております。
動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。