楽しい楽しいビール作りです。
ビールを手作りすると、あんなビールがあったら面白いなぁとか、こんなビールがあったら美味しいかも?というイメージを実際に実験して再現する事ができます。
さて、昨年仕入れた国産ミュンヘン麦芽が、中途半端な量だけ残ってました。
これで仕込んでもせいぜいビール1~2リットル分でしょう。
1~2リットルを仕込んでも別にいいのですが、それではちょっと少ないのです。
私には妻がいるので、美味しいビールを作ると、半分は飲まれてしまうのです。
だから、せめて4リットルは仕込みたいです。
そこで、何か麦芽以外の別の穀物を足して、4リットルのビールを仕込もうと思いました。
麦芽以外の穀物として注目したのが玄米です。
お米は、日本のビールには、普通に副原料として使われています。
アサヒスーパードライにもお米が使われています。
お米を使うとスッキリした味になります。
けれども、ビールの主原料は麦芽なので、お米は副原料でしかありません。
お米の割合を増やすと、スッキリしすぎて飲みごたえの無いビールになるでしょう。
今から作ろうと思うのは、麦芽よりも玄米の割合が多いビールです。
玄米が主で、麦芽が副です。
玄米が主である理由は、家に残っている麦芽が少ないからです。
少ない麦芽で4リットルのビールを作るために、玄米をたくさん入れざるを得ないのです。
玄米だと普通のお米よりも少しはコクがプラスされるでしょうけど、まだ飲みごたえが弱そうな気がします。
だから、玄米を炒って少し焦がして香ばしさをプラスしてから仕込む事にします。
玄米ビールの作り方
有機玄米 120g
国産ミュンヘン麦芽 80g
水 4リットル以上
タカヂア錠 12錠
国産冷凍ホップ(マグナム種) 120g
国産ホップ(カスケード種) 80g
ラガーイースト 3g
アイリッシュモス 3g
※上記のレシピで仕込むと、アルコール度数1%未満のビールが出来ます。
日本の法律では、個人がアルコール度数1%以上のお酒を作る事が禁じられています。
仮に、レシピの有機玄米を600g、国産ミュンヘン麦芽を400gに増やせば、アルコール5%くらいのビールを作る事が出来ますが、やってはいけません。
鍋 2個
温度計 1個
ザル 1個
4リットルの梅酒瓶 1個
500mlの炭酸用ペットボトル 8本
1メートルくらいのシリコンチューブ 1本
玄米を炒る
洗って水を切った玄米をフライパンで炒ります。
中火で20分くらい炒ったら香ばしい匂いがしてきたので、これでOKとします。
糖化させる
炒った玄米を鍋に入れて水を加え、加熱します。
沸騰するまで加熱すると、すぐに玄米がパンパンに水を吸って水分が無くなってしまいました。
火を止めて、少し冷まします。
麦芽を入れ、水を満タンに入れ、タカヂア錠を12錠入れます。
タカヂア錠とは、消化促進剤でデンプンを糖化する酵素が含まれるので、これで玄米のデンプンを糖化させようという魂胆なのです。
62℃くらいで1時間くらい保温しておきます。
1時間後、玄米は糖化され、溶けてシャバシャバの甘い液体になりました。
ザルで濾す
ザルで濾したら、麦芽のカスと玄米のカスが残りました。
1時間煮沸する
濾した液体を1時間煮沸させます。
浮かんでいる泡はアクなので、取り除きます。
煮沸終了40分前に、冷凍の国産マグナム種ホップを投入。
煮沸終了2分前に、冷凍の国産カスケード種ホップと、アイリッシュモスを水で戻したものを投入。
アイリッシュモスとは、これです。海藻を乾燥させたもので、ビールのタンパク質を吸着して沈殿するので、ビールがクリアになります。
これは楽天のブリューランドというショップで買った物です。
商品リンク:アイリッシュモス(IRISH MOSS 1OZ) 袋入り
このように水で戻しておいてから投入します。
煮沸終了後、30℃以下に冷却してからザルで濾して梅酒瓶に入れます。
1次発酵
撮影のために明るいところに置いてますが、実際は暗いところで発酵させます。
我が家では押入れに入れて発酵させます。
そして、10日間発酵させました。
ボトル詰め
1次発酵が終了しました。
発酵途中は、発酵により発生する炭酸ガスの泡がポコポコと発生するので、見た目に動きがあります。
その動きが無くなれば、1次発酵終了と判断します。
それにしても、沈殿物が多いです。
たいてい沈殿物の量は、これの半分以下なんですが、玄米の影響で沈殿物が多いのでしょうか。
シリコンチューブを使ってサイフォンの原理でボトルに詰めていきます。
ボトルは炭酸水が入っていた耐圧のペットボトルです。
沈殿物がこんなに残りました。
これは捨ててしまうわけですが、ビールを捨ててしまうのと同じ事なので、もったいないので少し飲んでみましたが、苦くてめちゃくちゃマズくて飲めませんでした。
500mlのペットボトル8本分の予定が、沈殿物が多かった為に7本しか出来ませんでした。
真ん中のボトルが濁ってますが、沈殿物がたくさん入ってしまったのです。
ボトル詰めの際に、沈殿物は全くボトルに入れない方が良いのですが、マズイですから。
けど、量が少なくなってしまうので、量を稼ぐために、少し入れてしまいました。
この後、それぞれのボトルに砂糖3gと水を満タンになるまで入れて、蓋をギュッと閉めてから、押入れで、最低でも2週間、出来れば3週間以上、2次発酵及び熟成させます。
ここで入れる砂糖は、ビールを甘くするためでなく、ビールを炭酸にするために入れるものです。
ボトルの中で、イースト菌が砂糖をアルコールと炭酸ガスに分解するために、ビールが炭酸になるのです。
完成
濁り成分は完全に沈みました。
グラスに注ぐ時に沈殿物を入れないようにすれば大丈夫でしょう。
注ぎます。
玄米ビール、いただきます。
グビッ!
かぁ~っ!!
うまい!!
玄米の旨味とコクが出てしっかりと飲み応えがあります。
玄米を炒ったのも良かったみたいです。
麦芽の使用率が低いですが、ちゃんとビールの味がします。
それでいて、何か優しい味がします。
まとめ
家に残っている麦芽の量が少ないから玄米を混ぜてみようと思い立ったのがキッカケでしたが、なかなか美味しいビールになりました。
このように、ビールを手作りすると、自分の好みで何でも作る事が出来ます。
例えば、濃いビールが飲みたいと思えば、作れます。
薄いビールが飲みたいと思えば、作れます。
ビールに香辛料を入れて発酵させれば、香りの付いたビールが出来ます。
また、そういったレシピを紹介していきますね。