
トレハロースの効果を検証!カップケーキ・パン・ご飯で食べ比べてみた
天然の糖「トレハロース」を使って、食品の劣化を防ぐ効果を検証します。
カップケーキ・パン・ご飯をトレハロース「あり」と「なし」で作り、焼きたてから数日後の食感・味の変化を実験比較します。
保湿力や劣化防止の本当の実力はどうなるでしょうか?
また人体への安全性についても解説しております。
【目次】
1.トレハロースとは
2.実験内容
3.焼き菓子(カップケーキ)
3ー1.焼きたてのカップケーキを食べて比較
4.パン(丸パン)
4ー1.焼きたてパンを食べて比較
5.ご飯
5ー1.ご飯のその後
6.3日後のパンを食べて比較
7.4日後のカップケーキを食べて比較
8.実験で分かった事
9.トレハロースの安全性について
10.まとめ
11.動画で説明
トレハロースとは
トレハロースを一言で説明すると、「砂糖より甘さ控えめで、食べ物の劣化を防いでくれる天然の糖」です。

見た目には砂糖と変わりません。
サラサラした白い細かな結晶の集まった粉です。
グラニュー糖の方が、わずかに結晶の粒が大きいですが、見た目にはその程度の違いだけです。
甘味は、砂糖の4割程度の甘さです。
トレハロースを食べてみると、スッキリした甘みで、砂糖の4割程度の甘みと言われてるのですが、確かにその通りだと感じました。
比較のために、砂糖もちょっと食べてみると…
「甘〜。」
砂糖の甘みです。
トレハロースは口に入れた瞬間に溶けて口の中に広がりました。
そのために、口に入れた瞬間にすっきりした甘みを感じました。
それに比べ、砂糖は完全に溶けるまで1秒くらいかかりました。
1秒なんてすぐですが、トレハロースのスピードを味わった後に砂糖を食べると、味を感じるまでの1秒が遅く感じました。
そして、ズドーンと甘みを感じます。
このトレハロースは、保水力があり、澱粉の老化を抑制してくれます。
さらにタンパク質の変性抑制効果もあり、食品のしっとり感や食感を長持ちさせます。
だから、食品などに幅広く利用されています
特にパンやお菓子やご飯などのデンプンが入った食品に使われています。
それはトレハロースが「ご飯やパンが固くなったりパサパサになるのを防ぐのが得意」だからです。
食品の原材料を注意してみてみると、ほとんどの加工食品にトレハロースが入ってる事がわかります。
化粧品に入ってる場合もあります。
きっと水分保持能力を期待しての事でしょう。
というわけで、今回は、トレハロースの実力がどれほどのものなのか、実験してみたいと思います。
実験内容
今回は以下3つの料理で実験します。
- 焼き菓子(カップケーキ)
- パン
- ご飯
この3つをトレハロース「あり」と「なし」で作って、その違いを比較してみようと思います。
まずは、作りたてを食べ比べて比較してから、次に何日か置いたものを食べ比べてみようと思います。
では、やっていきましょう。
焼き菓子(カップケーキ)

トレハロースなしカップケーキの材料(3個分)
バター 50g
米粉 50g
グラニュー糖 50g
卵 1個
ベーキングパウダー 1g
トレハロース入りカップケーキの材料(3個分)
バター 50g
米粉 50g
グラニュー糖 40g
トレハロース 15g
卵 1個
ベーキングパウダー 1g
違いは、砂糖とトレハロースの分量だけです。
トレハロースなし:砂糖50g
トレハロース入り:砂糖40g + トレハロース15g
それ以外の材料はピタッと重さを量って誤差は1g未満です。

電子レンジで柔らかくしたバターを練り、トレハロースなしは砂糖を加え混ぜます。
トレハロース入りは、砂糖とトレハロースを加え混ぜます。

以下、作り方は同じです。
卵を加え混ぜ、米粉を2回に分けて入れて混ぜます。
最後にベーキングパウダーを加え混ぜます。

カップに入れました。
この時点で、ちょっとトレハロース入りの方が白っぽいのが分かりますか?
これは空気を含んで白っぽくなったものと考えられます。
トレハロース入りの方が、空気を含むように上手に混ぜてしまったものと考えられます。
トレハロースの能力のおかげで上手に混ざったのか、たまたま上手に混ざったのかは分かりませんが、とにかく混ざり方が少し違います。
実験としては、どちらも上手に混ぜるか、どちらも下手に混ぜるか、条件を揃えないといけませんが、とりあえず、このまま実験を進めます。

これを170℃のオーブンで30分焼きました。
焼けた感じも若干違いがあります。
トレハロースなしの方は、表面に割れ目があり、トレハロースありに割れ目はありません。
これが、トレハロースによる違いなのか、混ぜ方による違いなのかはよく分かりません。
焼きたてのカップケーキを食べて比較

焼きたては、トレハロース入りの方がふんわり柔らかかったです。
トレハロースなしの方は表面がサクっとしてました。
柔らかさの違いは、混ぜ方による違いなのか、トレハロースの実力なのかわかりません。
一方、表面のサクッと感の違いは、トレハロースによる水分保持力の違いだと思います。
ただし、表面に関しては、トレハロースの実力で水分が保持されてしっとりしてるよりも、表面の水分が抜けてサクッとしてる方が私は好みです。
焼きたてでは、まだ明確な違いが出ないと思います。
トレハロースの能力は、時間経過による品質劣化を防ぐことにあるはずです。
これをタッパーに入れておいて、そのまま4日間置いておきました。
4日後にどうなったかをお伝えする前に、パンを作ります。
パン(丸パン)

トレハロースなしパンの材料(丸パン4個分)
強力粉(春よ恋) 150g
水 100ml
塩 2g
グラニュー糖 15g
バター 10g
イースト 2g
トレハロース入りパンの材料(丸パン4個分)
強力粉(春よ恋) 150g
水 100ml
塩 2g
グラニュー糖 10g
トレハロース 10g
バター 10g
イースト 2g
違いは、砂糖とトレハロースの分量だけです。
トレハロースなし:砂糖15g
トレハロース入り:砂糖10g + トレハロース10g
それ以外の材料はピタッと重さを量って誤差は1g未満です。

ホームベーカリーの容器に全ての材料を入れ、ホームベーカリーにこねてもらいます。

こねが完了したので、ボウルに入れラップをして1次発酵させます。
40℃のオーブンに30分ほど入れました。

1次発酵完了しました。
打ち粉をして、生地を取り出し、適当に丸めておきます。

ハサミで適当に4等分して、丸めました。

オーブン天板に乗せてこれを2次発酵させます。
40℃のオーブンに90分入れました。

2次発酵が完了しました。
見た目が全く一緒なので、トレハロース入りの方にだけ、溶き卵を少し塗ることにしました。
これを170℃のオーブンで30分焼きます。

関係ないですが、この日、京都は雪が積もりました。

焼けました〜。
焼きたてパンを食べて比較

断面はこのようになっています。
断面に特に違いはなさそうです。
膨らみ方にも違いは見つかりませんでした。
味も、特に違いは感じませんでした。
どちらも美味しいパンでした。

ただし、包丁で切る時に、トレハロースなしの方は、表面に切り目が入るまでに包丁を何回もスライドさせてましたが、トレハロース入りの方は、すぐに包丁が入っていきました。
やはり水分保持能力があるためだと思われます。

これらのパンを袋に入れて3日間置いてきます。
3日後にどうなったかは、また後ほどお伝えします。
ご飯

ご飯は、普通に炊いたご飯と、お米1合につき小さじ1杯のトレハロースを入れて炊いたご飯を比較します。
我が家では、この土鍋でご飯を炊いてます。
お米2合なので小さじ2杯のトレハロースを入れました。
これを炊きます。
焼き菓子と、パンは同時に焼きましたが、ご飯は同時に炊くことはできません。
違う鍋を使ったら同時に炊けますが、鍋が違えば味も変わりますから、時間差が出ますが、同じ鍋で炊くことにします。

炊けました。
炊きたては普通に美味しいです。
炊きたてのご飯が美味しいことは日本人なら説明不要ですね。
炊きたてのご飯では、トレハロースの有無による味の違いは特に感じません。
でもトレハロースの甘みが加わってる分、若干ですが甘みがあります。
意識しないとわからない程度の甘味です。
スッキリした甘みだからご飯の甘みが増したように感じます。
確かにその分美味しいとは言えますが、それはトレハロースによる「劣化防止効果」によるものではないですよね。
トレハロースの実力は、デンプンの老化を防ぐ事にあるので、炊きたてでは実力が発揮されません。
ご飯のその後
その後、時間が経過したご飯を食べくらました。
具体的に以下のパターンで食べ比べました。
- 炊いてから4時間経過したご飯
- 炊いてから8時間経過したご飯
- さらに20時間冷蔵したご飯
- それを電子レンジで加熱したご飯
そして、これらを食べ比べた結果、いずれのパターンもトレハロース入りの方が若干美味しいような気がしないでもないですが、やはりそれはトレハロースの甘みによるものだと思いました。
私が食べた限りでは、デンプンの老化を防ぐことによって美味しく感じるという事はありませんでした。
ご飯に関しては、この実験だけで判断すると、トレハロースを入れる程のものではないと思いました。
3日後のパンを食べて比較

では、焼いてから3日経過したパンを食べ比べてみます。
画像はパンの断面と指で押さえた弾力を確かめる様子が見れます。
断面は個体差もあるのでなんとも言えないです。
また指で押さえた感じだけでは違いはわかりませんでした。
そして、食べた感じでは、トレハロース入りの方が若干柔らかいとは感じましたが、味は特に違いを感じませんでした。
そこで、妻にも食べてもらいました。
妻にはどちらがトレハロース入りなのかなしなのか知らせずに食べてもらいました。

個体差もあるかもしれないけど、触った感じは卵液の付いてない方(トレハロースなし)の方が若干硬い気がする。
卵液塗ってる方(トレハロース入り)がフカフカ感がある。

確かに個体差はあるよ。
場所によって焼きムラもあるし。

トレハロースの味を知らないけど、砂糖の甘みは知ってる。
卵液塗ってない方が砂糖だけで作ったやつだね。
砂糖の甘みが感じられる。

ほおー!
甘味の違いまで見破るとは、お見事!

トレハロース入りの方があっさりしてる。

そうそう、トレハロースの甘みはあっさりしてる。

砂糖の甘味に慣れているせいか、多少この後に残る甘味があった方が安心感がある。
トレハロース入りの方があっさり淡白とでも言おうか、甘味があまり感じられない。

でも甘味の質は違っても甘味の度合いはほぼ同じになるように配合してあるよ。

でも甘味の違いはわかるよ。

お見事です。
参りました。
ちなみに高1の娘にも食べてもらいましたが、トレハロース入りの方が柔らかいと言ってました。
4日後のカップケーキを食べて比較

では4日経過したカップケーキをいただきます。
どちらも美味しいです。
焼き菓子は、焼きたてには焼きたての風味の良さがありますが、数日経った方が、味が落ち着いて馴染んで、より美味しくなってるような気がします。
だから、トレハロースを使って品質の劣化を防ぐとか意味あるのかな?とも思います。
これは4日経過したものですが、販売するとなると焼いてから何ヶ月も経ってから食べるという前提で商品開発しなければいけないので、トレハロースが必要になるのかもしれませんが、4日程度では、トレハロースを入れる必要は感じませんでした。
味の違いは、トレハロース入りの方がしっとりふんわり柔らかいです。
表面もしっとりしています。
トレハロースなしは、しっとり感はなく、口の中でホロっと崩れる感じです。
明らかにしっとり感に差があるので、これはほとんどの人がトレハロースの有無を知らずに食べても当てる事ができると思います。
そして、私はトレハロースなしの方が美味しいと感じました。
では、妻にも食べてもらいます。
これは、トレハロースの有無はすぐにわかるので、分かったうえで食べてもらいます。
まだ一口も食べてない段階から感想が始まりました。

まず、持った感じと香りが全然違う。

香りが違う!?
持った感じは確かに違うけど、香りの違いまでは考えてなかった。

香りが好きだからね。

そやね。
香りに関してうるさいよね。

砂糖だけの方がバターと砂糖の香りが広がって感じられる。
トレハロース入りの方が香りが抑えられてる感じ。

ほお、確かに言われてみれば、トレハロースはメイラード反応が起こりにくいから、砂糖のこんがり焼けた香りはないよね。

やっぱりバターと砂糖のこんがりした香りがセットで焼き菓子だから。
トレハロースの方は香りが抑えられて、感じられない。
食べたいと思うのは、砂糖だけの方。
トレハロースの方は食べたら口の中でサーッと生地が溶けていく感じ。
食べ応えがあるのは砂糖だけの方。
食べてる感じがする。
トレハロースの方はあっさりしてる。

そやね。
甘味があっさりしてるね。

口溶けがよく、それがなおあっさり感を強めてるのかな。
私は砂糖だけの方が好きかな。

いやー参りました。
味だけでなく匂いの違いまで嗅ぎ分けるとは。
脅威の味覚と嗅覚をお持ちですね。
妻の味覚は侮れません。
過去にきゅうりの味を鋭く嗅ぎ分けてキュウリソムリエの称号を授与した事もありました。
実験で分かった事
カップケーキは、トレハロース入りの方が上手に混ぜたのに、下手に混ぜたトレハロースなしの方が美味しいと感じました。
トレハロースを使えば美味しいという訳ではないようです。
でも、確実に保水効果はある事がわかりました。
砂糖にも保水効果はありますが、トレハロースの方が断然保水効果が高いです。
家庭料理ではもう使い道が見つかりません。
プロが品質保持のためにどのように使うかという視点で研究するというものだと思いました。
当ブログは、家庭料理を軸にしてるので、トレハロースの研究はブログのテーマを超えてしまいます。
NICHIGA(ニチガ) トレハロース 850g 植物由来 Trehalose 食品添加物 お米に 製菓 低甘味
私が今回買ったものはこれです。
研究のために850g入りのものを買いましたが、まだ800gくらい残ってるので、トレハロースの研究はぼちぼち続けるかもしれません。
トレハロースの安全性について
トレハロースは人体に悪いから、海外ては使用を禁止している国もあると言う人がいました。
そこで、調べてみたんですけど、私が調べた限り、AIにも調べてもらいましたが、禁止されてる国は見つかりませんでした。
調べて分かった事ですが、トレハロースの事を悪く言う根拠となったのが、2018年の研究(ネイチャー誌)に掲載された論文です。
その論文の内容を超簡単に要約すると以下の通りです。
【論文の超要約】
とある腸内細菌、いわゆる悪玉菌が、トレハロースで元気になることを発見。
ネズミにトレハロースをたくさん食べさせたら、腸の病気がひどくなって死にやすくなった。
だからトレハロースが人体に悪いかも?
この論文がきっかけだったようですが
そもそも、ネズミでしか実験してませんし、
その後、それを否定する内容の論文がジャンジャン発表されました。
人間の患者さんを調べたら、関係なかった.
トレハロースはむしろ腸を助けるかも
。
世界中で普通に使ってるのに、問題になってない。
という事実が。
トレハロースはキノコなどにも含まれてる天然由来の糖質ですから、アスパルテームのような合成甘味料とは根本的に違うもので、人体に悪くないと思います。
ただし、遺伝子組み換えとうもろこしのデンプンを素材に作ってると思われるために、少しは体に悪い要素はあるかもしれませんが、そんなこと気にしてたらキリがありません。
コーンシロップなんて遺伝子組み換えとうもろこしが原料ですからね。
ジュースや甘いお菓子やお惣菜とかにコーンシロップ使われてます。
また醤油とかサラダ油とかも遺伝子組み換え原料を使ってるので、そんな事気にしてたら何も食べられなくなるので、気にしません。
大量に食べたら、毒になるかもしれませんが、普通に食品に入ってる程度の量なら何も問題はないと思います。
まとめ

カップケーキでは4日後、トレハロース入りの方が明らかにしっとり柔らかく保たれていました。パンでも3日後に妻や娘が「柔らかい」と感じる差が出ましたが、ご飯では時間経過後の違いがほとんどわからず、甘みによるわずかな美味しさの差だけでした。
家庭料理では必ずしも入れる必要はないようです。
安全性については、2018年のネズミ実験が誤解を招いただけで、人間への悪影響は確認されておらず、天然由来の糖として問題ないと考えます。
動画で説明
動画では私が実演しています。
動画でしか表現できない事もあるので併せてご覧ください。







