ここは、京都の中心を流れる鴨川の荒神橋の少し上流、府立医大のすぐ近くです。
2016年5月29日(日)朝、カラシナの種を収穫にやって来ました。
これは2015年4月15日に撮影した鴨川の菜の花。
毎年春になると、いろんな所の河原に菜の花が咲きますよね。
川原に咲いている菜の花は、「アブラナ」か「カラシナ」のいずれかなんですが、そのカラシナの種でマスタードを作る事ができるんです。
鴨川の菜の花は、カラシナばかりです。
野草ですから交雑種だったりしますが、それでもちゃんとマスタードになるんです。
ちなみに、アブラナの種からは、菜種油を搾りだす事ができます。
けれど、専用の道具が必要なのと、まとまった量を収穫しなければならないので、私のような素人には到底できません。
これが、現在のカラシナ。
花は散って枯れています。
近くで見ると、このようになっています。
乾いた鞘の中に小さい種が詰まっています。
これがマスタードの原料になります。
我が家では、カラシナの種収穫は、年中行事として定着してきました。
◆雑誌に掲載されました
![]() のらのら 2016年 06月号 [雑誌] | 子ども農業雑誌のらのら2016年6月号にて、中村家のカラシナの種収穫や、マスタード作りなどについて掲載されました。 |
雑誌記事は、農文協のらのらウェブサイトで一部だけ見る事ができます。
興味のある方は のらのら2016年夏号 にアクセスしてみてください。
アクセスしたら、こんなページが出てきます。
そこの ■カラシナとアブラナの見分けかた というところをクリックしてください。
PDFファイルで記事の一部を見る事が出来ます。
◆では収穫とまいりましょう
さて今回は、今までの収穫方を改め、さらに効率的に収穫するため、菜種農家の収穫法を真似することにしました。
ブルーシートを広げます。
カラシナ刈り取ってブルーシートに広げて叩き付けると、種が落ちます。
…と言いたいところでしたが、収穫が少し早かったために、鞘がパリパリに乾いておらず、叩いただけでは種が完全に落ちませんでした。
もう1週間待って、次の日曜(6月5日)に収穫するのが理想的な収穫時期なのですが、気象情報を見てると、いつ梅雨に入ってもおかしくない状況です。
雨が降ったら種の収穫は出来ません。
だから、この日(5月29日)の午前中は晴れなので、今のうちに収穫してしまおうと決断し、実行した訳です。
ちなみに、この日も午後から雨が降りました。
この記事を書いている6月4日現在の気象情報では、次の日曜日(6月5日)も雨の予報で、降水確率80%になっています。
だから5月29日午前の収穫は、ちょっと早かったですが正解でした。
叩いただけで種が落ちないので、しごいて種を落としました。
これが落ちた鞘と種。
種が見えませんが、種は重く小さいので鞘の下に沈んで隠れています。
◆ここから種だけを選り分ける
鞘を取り除き、種だけを集めました。
ここからさらに不純物を取り除く作業があります。
とりあえず「フーッ!」と思いきり息を吹きかけて、不純物を吹き飛ばします。
種は重く小さいので息を吹きかけても飛んでいく事はありません。
よく見ると、こういった物も混ざっています。
拡大してみました。
虫の卵です。
虫の卵だけでなく、虫の成虫や幼虫も混ざっています。
自然の野草ですから虫が住んでいて当然で、逆に虫が居なければおかしいです。
その虫の住処である野草を叩いたり、しごいたりしたのですから、虫が混入するのを前提としてやらなければいけません。
虫達は、カラシナの種を食べたくてここに居るわけではなく、その辺の野草を住処にしていただけです。
平穏に暮らしていたところを、私にたたき落とされて捕まえられただけですから、放っておけば勝手に逃げていきますよ。
ある程度不純物を取り除く事が出来ました。
家で重さを計ってみると、283gでした。
昨年の収穫が322gだった事を思えば少ないなぁ。
きっと今回の収穫方が菜種農家と同じ方法であるために、たくさん採れるだろうという心驕りがあり、収穫に対する貪欲さが足りなかったのかもしれません。
それと、昨年までの収穫方も悪くなかったのだと思いました。
◆収穫した種を口に入れられるレベルまできれいにする
タッパーの蓋を開けたままネットに入れて干します。
乾燥させるだけでなく、虫を逃がす事ができます。
虫の卵が孵ってから、虫が逃げるまでの期間を考えると、この状態で2週間くらい放置しておけばいいと思います。
その後、水洗いをします。コレは、昨年水洗いした時の画像です。
水で洗えば、たいていの不純物は浮きますので、それをアク取りか何かで取り除けばいいです。
そして、ザルで水を切って、クッキングペーパーで余分な水分を吸い取り乾かせば、食品衛生的にも問題の無い清潔なマスタードの原料となります。
※マスタードの作り方は 鴨川に生えるセイヨウカラシナの種で粒マスタードを手作りする ←必読!!